この記事について
Shopifyの顧客データには標準フィールド(氏名、メール、住所など)がありますが、日本のECサイトでは追加情報が必要になることが多いです。これらをShopifyのメタフィールド機能を使って管理する方法を解説します。
日本のECで必要な追加情報
標準フィールドでは足りない理由
Shopifyは海外製品のため、日本特有の顧客情報に対応していません。
| 項目 | Shopify標準 | 日本での必要性 |
|---|---|---|
| フリガナ(姓) | なし | 配送ラベル、電話対応で必須 |
| フリガナ(名) | なし | 同上 |
| 生年月日 | なし | ポイント、クーポン、年齢確認 |
| 性別 | なし | マーケティング、商品レコメンド |
| 会員ランク | なし | POSとの連携、特典管理 |
| 外部システムID | なし | POS、CRM等との紐付け |
メタフィールドとは
概念の説明
メタフィールドは、Shopifyの標準データに追加情報を付与できる機能です。顧客、商品、注文など、様々なオブジェクトに対して独自の情報を保存できます。
氏名(first_name, last_name)、メールアドレス(email)、電話番号(phone)、住所(addresses)
フリガナ(独自定義)、生年月日(独自定義)、性別(独自定義)、その他(自由に追加可能)
メタフィールドの構造
メタフィールドは「名前空間(namespace)」と「キー(key)」で整理します。
| namespace | key | 用途 |
|---|---|---|
| customer_info | furigana_first_name | 名のフリガナ |
| customer_info | furigana_last_name | 姓のフリガナ |
| customer_info | birth_date | 生年月日 |
| customer_info | gender | 性別 |
| loyalty | coupons | 発行済みクーポン情報 |
| loyalty | preferences | 顧客設定 |
| loyalty | external_id | 外部システムID |
設計のポイント
名前空間の設計
名前空間は、関連する情報をグループ化するために使います。
| 名前空間 | 用途 | 含まれるキー |
|---|---|---|
| customer_info | 基本情報の拡張 | フリガナ、生年月日、性別 |
| loyalty | ポイント・会員関連 | クーポン、会員ランク、ポイント履歴 |
| preferences | 顧客設定 | メール配信設定、言語設定 |
| integration | 外部連携 | POS ID、CRM ID、同期ステータス |
データ型の選択
メタフィールドには適切なデータ型を設定します。
| キー | データ型 | 理由 |
|---|---|---|
| furigana_first_name | single_line_text_field | 短いテキスト |
| birth_date | date | 日付として扱いたい |
| gender | single_line_text_field | 選択肢として管理 |
| coupons | json | 複数のクーポン情報を構造化 |
| external_id | single_line_text_field | POS会員番号など |
運用上のメリット
Shopify管理画面での確認
メタフィールドはShopify管理画面から確認・編集できます。
| カテゴリ | 項目 | 値 |
|---|---|---|
| 基本情報 | メール | yamada@example.com |
| 基本情報 | 電話 | 090-1234-5678 |
| メタフィールド | フリガナ(姓) | ヤマダ |
| メタフィールド | フリガナ(名) | タロウ |
| メタフィールド | 生年月日 | 1990-01-15 |
| メタフィールド | 性別 | 男性 |
カスタマーサポートが管理画面ですべての情報を確認可能です。
APIでの取得・更新
GraphQL APIを使えば、メタフィールドの取得・更新も簡単です。
「顧客ID: 12345 の情報をください」
標準フィールド(first_name, last_name)+ メタフィールド(furigana, birth_date等)を返却
「顧客ID: 12345 の生年月日を更新」
Shopifyに保存完了
実装時の注意点
バリデーション
メタフィールドに保存する前に、データのバリデーションが必要です。
| 項目 | バリデーション内容 |
|---|---|
| フリガナ | カタカナのみ、50文字以内 |
| 生年月日 | 過去の日付、13歳以上 |
| 性別 | 指定の選択肢のみ(男性/女性/その他) |
| メールアドレス | 形式チェック、重複チェック |
既存顧客のデータ移行
すでに運用中のシステムからデータを移行する場合、以下の手順が必要です。
既存システムから顧客データをエクスポート
Shopifyのメタフィールド形式に変換
変換後のデータを検証
少数のデータで動作確認
全データをShopifyに登録
この機能がもたらす効果
運営側にとって
- 追加データベースの構築が不要
- Shopify管理画面で一元管理
- APIで自動連携が可能
開発面でのメリット
- 標準機能なので追加コストなし
- GraphQL APIで簡単に取得・更新
- 将来の拡張も容易