B2B向け自動割引システムの全体像

ヘッドレスECでB2Bアカウント専用の割引と請求書払いを実現する仕組み

B2B会員価格自動割引Shopifyヘッドレス
読了時間: 5分

B2Bアカウント向け割引のニーズ

通常のオンラインショップでは、お客様全員が同じ価格で商品を購入します。しかしB2B(法人・ディーラー向け)のお客様には、以下のような特別な対応が求められることがあります。

  • 取引量に応じた割引価格
  • ブランドや商品カテゴリごとの異なる割引率
  • クレジットカード払いではなく請求書払い(掛け売り)

今回は、Shopify + ヘッドレス構成のECサイトで、これらすべてを自動化した仕組みを紹介します。

実現したいこと

お客様の体験

  1. B2Bアカウントでログイン
  2. 商品一覧・詳細ページで会員価格が自動表示される
  3. カートに入れると割引が自動適用される
  4. 決済時にクーポンコードの入力は不要(裏側で自動適用)
  5. 希望すれば請求書払いも選択可能

運用側のメリット

  • 新しいB2Bアカウントの追加が簡単
  • 割引率の変更もShopify管理画面だけで完結
  • コードの変更なしに柔軟な運用が可能

全体の仕組み

システムの全体像を図で見てみましょう。

B2B自動割引システム全体像
Shopify管理画面

①顧客タグ付け(standard-35等)・②顧客セグメント作成・③対象コレクション作成・④クーポン作成

Storefront API / Admin API
ウェブサイト(Headless)

⑤ログイン時タグ取得・⑥会員価格表示・⑦クーポン自動適用・⑧請求書払い対応

設計のポイント:タグ名=クーポン名

この仕組みの最大のポイントは、顧客タグの名前とクーポンの名前を一致させることです。

タグの命名ルール

タグ名に割引率を埋め込みます。

standard-35
意味標準カテゴリが35%OFF
premium-25
意味プレミアムカテゴリが25%OFF
special-40
意味特別カテゴリが40%OFF

クーポンの命名ルール

タグ名と完全に同じ名前でクーポンを作成します。

standard-35
割引率35%
対象標準カテゴリ商品
premium-25
割引率25%
対象プレミアムカテゴリ商品
special-40
割引率40%
対象特別カテゴリ商品

なぜこの設計にしたか

この設計により:

  1. コード変更不要: 新しいクーポンを追加しても、フロントエンドのコードは変更不要
  2. 運用が簡単: Shopify管理画面だけで新しいB2B顧客を追加できる
  3. 割引率の変更が容易: タグとクーポンの両方を更新するだけ

ヘッドレスならではの課題

なぜ独自実装が必要だったか

通常のShopifyテーマであれば、B2B向けのアプリを導入することで簡単に会員価格を実現できます。しかしヘッドレス構成では、フロントエンドがShopify外(Next.jsなど)にあるため、アプリの機能をそのまま使うことができません。

Shopify B2B機能は?

Shopifyには公式のB2B機能がありますが、**Shopify Plus(月額約$2,000〜)**が必要です。中小規模のECサイトにとっては、この費用は大きな負担になります。

今回の設計は、通常のShopifyプランでもB2B機能を実現するための工夫です。

この仕組みで実現できること

1. 自動割引

お客様がログインした瞬間から、会員価格が自動的に反映されます。クーポンコードの入力は一切不要です。

2. 複数ブランド・カテゴリへの対応

カートに異なるカテゴリの商品が混在していても、それぞれに適切な割引が自動適用されます。

例:

  • 標準カテゴリ商品 → 35%OFF
  • プレミアムカテゴリ商品 → 25%OFF
  • 両方がカートに入っていても、それぞれ正しく割引

3. 請求書払い(掛け売り)

クレジットカード払いではなく、請求書払いで注文を受け付けることができます。ドラフトオーダーを使って、後から請求書を発行するフローに対応しています。

4. 柔軟な優先順位管理

同じ商品に複数の割引ルールが適用可能な場合、優先順位を設定して制御できます。

次のステップ

この仕組みを実現するには、Shopify側とヘッドレス側の両方で設定・実装が必要です。

次の記事では、まずShopify管理画面での設定方法を詳しく解説します。

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