AIエージェントを毎朝定時起動する仕組み

ローカルPCとクラウドを組み合わせ、ヘッドレスでAIエージェントを定時実行する構成と工夫

ヘッドレス実行定時起動スケジューラ自動化Claude Code
読了時間: 9分

はじめに

AI調査エージェントを毎朝自動で動かす——言葉にすると簡単ですが、「どこで、どうやって起動するか」は意外と悩ましい問題です。クラウドで動かすのが今どきな気もしますが、私はあえてローカルPCのタスクスケジューラでClaude Codeをヘッドレス起動する構成を選びました。

この記事では、なぜローカルPCなのか、ヘッドレス実行とは何か、そして人がいなくても安定して回すための工夫を解説します。

なぜクラウドでなくローカルPCなのか

コストと認証のリアルな事情

「自動化=クラウド」というイメージは強いですが、実際に組んでみると、ローカルPCのほうが合理的なケースは多いんです。

BEFORE
クラウドで動かす場合

常時稼働のサーバー費用がかかり、各データソースの認証情報をクラウドに預ける必要がある。GA4やShopifyのトークン管理、リフレッシュの運用も自前で組むことに。

AFTER
ローカルPCで動かす場合

普段使いのPCに一度ログインしておけば、各サービスの認証が生きたまま使える。追加のサーバー費用はゼロ。1日数分の起動なので、PCの電源だけ入っていれば十分。

エージェントの実行は毎朝数分だけ。そのために常時稼働のクラウドを借りるのは、コスト面でも運用面でも過剰でした。

手元データへのアクセスという決め手

もう一つの決め手が、手元にあるデータへ直接アクセスできることでした。

店舗売上のCSVは、担当者がローカルのフォルダにダウンロードして管理しています。これをクラウドのエージェントから読むには、どこかにアップロードする経路を別途作らなければなりません。ローカルPCで動かすなら、エージェントはそのフォルダをそのまま読めます。認証済みのブラウザセッションや、ローカルにある設定ファイルもそのまま活用できる。「手元にあるものをそのまま使える」のは想像以上に大きな利点でした。

ローカル起動の割り切り

もちろんローカル起動にも弱点はあります。PCが起動していなければ動かないし、担当者の環境に依存します。

このエージェントは「動かなくても致命的ではない」補助的な仕事なので、ローカル起動の割り切りがちょうど良いバランスだったんです。

ヘッドレス実行の仕組み

ヘッドレスモードとは

ヘッドレスモードとは、人が対話画面を操作せず、コマンド一発で最初から最後まで自動実行させる動かし方です。Claude Codeにあらかじめプロンプトを渡して起動すると、エージェントは指示に沿ってタスクを進め、完了したら自動で終了します。

対話型では「次は何をしますか?」と人の入力を待ちますが、ヘッドレスでは待ちません。だからこそ、人が寝ている早朝でもエージェントが自律的に調査を完了できるわけです。

タスクスケジューラでの定時起動

起動のトリガーには、Windowsのタスクスケジューラを使っています。「毎朝この時刻に、このコマンドを実行する」という設定を一度登録しておけば、あとはOSが自動で起動してくれます。

定時起動のセットアップ
起動スクリプトを用意

プロンプトとオプションを指定してClaude Codeを起動するスクリプトを作成

タスクスケジューラに登録

毎朝の実行時刻とスクリプトのパスを設定

ログ出力を設定

実行結果とエラーをファイルに残し、後から追えるように

自動実行

以降は毎朝、無人でエージェントが起動・完了

特別なインフラは要りません。普段使っているPCの標準機能だけで、無人の定時実行が組めてしまいます。

実行ログと失敗時の備え

無人で動かす以上、「ちゃんと動いたのか」を後から確認できることが重要です。

エージェントの実行結果は、成功・失敗にかかわらずログファイルに残します。データソースの一時的な不調で調査が途中で止まることもあるので、その日は提案がゼロでも構わない、という割り切りも大事です。無理にリトライして誤った提案を出すより、静かにスキップして翌朝やり直すほうが安全なんです。

クラウド側との連携

ローカルとクラウドの役割分担

このシステムは、ローカルのエージェントとクラウドの業務ハブがAPIを介して連携しています。

ローカルとクラウドの連携
ローカルPC

タスクスケジューラ + Claude Code(調査・提案生成)

HTTPS API で提案を送信
業務ハブ(Next.js / クラウド)

提案の保存・管理画面・承認フロー・Slack通知

エージェントは「調べて提案を投げる」ところまで担い、その先の保存・表示・承認・通知はクラウドの業務ハブが担当します。ローカルは調査に専念し、常時アクセスが必要な部分はクラウドに置く。この分担で、両者の良いとこ取りができました。

認証情報の扱い

APIへ提案を登録する際は、エージェント側に発行した専用のキーで認証します。各データソースの認証情報はローカルPCの中に留め、クラウドには送りません。手元のデータは手元で処理し、クラウドには結果だけを渡す——このデータの流れが、セキュリティ面でもシンプルで気に入っています。

まとめ

AIエージェントを毎朝定時起動する仕組みを解説しました。

  1. ローカルPC起動を選んだ理由:コスト・認証・手元データへのアクセスで合理的
  2. ヘッドレス実行:タスクスケジューラ+Claude Codeで無人の定時実行
  3. クラウドとの役割分担:ローカルは調査、クラウドは保存・承認・通知

エージェントが実際に「何をどう調査するか」は「複数データソースを横断する調査プロンプト設計」で、提案を人がどう扱うかは「提案→承認→実行のヒューマンインザループ設計」で解説しています。全体像は「毎朝自動で動くAI調査エージェント」のハブ記事もあわせてどうぞ。