この仕組みでできること
ShopifyとHubSpotの標準連携アプリでも基本的な顧客同期は可能ですが、このカスタム実装では標準では対応できない細かな制御を実現しています。
- 特定の条件(注文金額や商品カテゴリなど)でのみ同期
- 標準では同期されないカスタムフィールドの連携
- 購買履歴の累計計算など、独自のビジネスロジック
Shopifyで注文が完了すると、条件に応じて顧客情報がHubSpotに自動で登録されます。すでに登録済みのお客様なら、購買履歴が更新されます。
営業担当は、HubSpotを開くだけで「このお客様はいつ、何を、いくらで購入したか」を確認できるようになります。
なぜ自動同期が必要か
ECサイトを運営していると、こんな状況になりがちです。
よくある困りごと
- 注文のたびに手入力: Shopifyで注文が入るたびに、手動でHubSpotにコピペ
- 入力ミスや漏れ: 忙しいときに入力を忘れる、名前を間違える
- データが食い違う: ShopifyとHubSpotで金額が合わない
- 購買履歴が見えない: 営業担当が「このお客様の過去の購入は?」と聞かれても、すぐに答えられない
自動同期で解決
| 課題 | 自動同期後 |
|---|---|
| 手入力が大変 | 完全自動、作業ゼロ |
| 入力ミス | システムが正確に転記 |
| データの不整合 | 常に同期されて最新 |
| 履歴が見えない | HubSpotで即座に確認 |
全体の流れ
仕組みはシンプルです。Shopifyで注文が完了したら、自動的にHubSpotに連絡がいき、顧客情報が登録されます。
商品を選んでカートに入れ、決済を完了する
注文情報(顧客名、メール、購入商品、金額など)を送信
正規の通知かどうかを確認し、顧客情報を整理してHubSpotに登録リクエストを送信
新規顧客 → コンタクトを新規作成 / 既存顧客 → 購買履歴を更新
購入後のサンクスメールを自動送信、リピート促進のシナリオがスタート
HubSpotに登録される情報
同期によって、HubSpotには以下の情報が登録されます。
基本情報
- 氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所
購買に関する情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Shopify顧客ID | Shopify側のIDと紐づけるため |
| 初回購入日 | いつからのお客様か |
| 最終購入日 | 最後に購入したのはいつか |
| 累計購入額 | 過去の購入金額の合計 |
| 購入回数 | リピート率の把握に |
これらの情報があれば、営業担当は「このお客様はVIPだ」「しばらく購入がない」といった判断がすぐにできます。
新規と既存の判定
同じお客様が2回目以降に購入した場合、どうなるでしょうか?
判定の仕組み
メールアドレスで照合します。
- 注文情報からメールアドレスを取得
- HubSpotで同じメールアドレスのコンタクトを検索
- 見つかれば → 既存顧客として更新
- 見つからなければ → 新規顧客として登録
既存顧客の場合
- 累計購入額: 今回の購入金額を加算
- 購入回数: +1
- 最終購入日: 今回の日付に更新
重複登録は発生しません。
マーケティング自動化との連携
HubSpotに顧客情報が入ると、マーケティング自動化(ワークフロー)を使って自動的にアクションを起こせます。
活用例
-
購入後のサンクスメール
- 注文完了と同時に自動送信
- 「ご購入ありがとうございます」のメッセージ
-
リピート促進メール
- 購入から30日後に「最近いかがですか?」メールを自動送信
- 前回購入した商品に関連するおすすめを提案
-
VIP顧客への特別対応
- 累計購入額が一定額を超えたら、担当者に通知
- 特別クーポンを自動送付
-
休眠顧客の掘り起こし
- 最終購入から90日経過したら、復帰促進メールを送信
セキュリティへの配慮
外部からの通知を受け取る仕組みなので、セキュリティ対策も重要です。
不正リクエストの防止
Shopifyから送られてくる通知には「署名」が付いています。この署名を検証することで、本当にShopifyからの通知かどうかを確認できます。
Shopifyまたは第三者からの通知を受け取る
リクエストに含まれる署名が正しいかチェック
署名が一致 → 処理を実行
署名が不正 → 処理を拒否
これにより、悪意のある第三者が偽の注文情報を送りつけても、システムは無視します。
運用のポイント
同期がうまくいかないとき
まれに同期が失敗することがあります。主な原因と対処法をまとめました。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 顧客が登録されない | HubSpotの接続設定の問題 | 認証情報を再確認 |
| 金額が合わない | 税金や送料の計算方法の違い | 同期する項目を見直し |
| 重複登録される | メールアドレスが微妙に違う | 表記ゆれのルールを統一 |
過去データの移行
この仕組みは「これから」の注文を自動同期します。過去の注文データを移行したい場合は、別途一括インポートが必要です。
まとめ
注文時の顧客同期により、以下が実現します。
- 作業効率: 手入力がゼロになる
- データ品質: 入力ミスや漏れがなくなる
- 営業支援: 購買履歴が即座に確認できる
- マーケティング: 購入をトリガーにした自動施策が可能に
一度設定すれば、あとは自動で動き続けます。